ぽけてん

someone in the crowd

にゃん♡にゃん♡

 

めいどりーみん♪めいどりーみん♪夢の国で遊びましょ〜

 

 

 

 

 


秋葉原を歩いてるとどこからともなく聴こえてくるこの旋律。そう、これはめいどりーみんの店外BGMである。この曲と秋葉原の親和性の高さ。完璧な調和。秋葉原の街並みを思い出せば頭の中でめいどりーみん♪と曲が流れるし、めいどりーみん♪と口ずさめば秋葉原の街並みが頭の中に浮かぶ。ちなみにこの曲、どりーみんパスポートという曲で実はCDもある。略称はどりパス。

 

 

 

 


その日、僕とキモオタのTATSUは時間を持て余していた。僕らはよく時間を持て余す。人生を持て余す。意味もなく秋葉原をぶらぶらしていた。亡霊のごとくあてもなく彷徨っていた。どれくらい時間を持て余していたかというと、すり寄ってくるメイド喫茶のキャッチと雑談するくらいには時間を持て余していた。結局、累計3人のキャッチと雑談をして時間を浪費してしまった。3人とも可愛い子だったからお喋り自体は楽しかったけど、とてつもなく虚無な時間だった。

 


突然、天啓が舞い降りた。灯台下暗しすぎて気づけなかったひとつの冴えた案を思いついてしまったのだ。時間を持て余しているならメイド喫茶に行けばいいじゃない。

 


メイド喫茶。それはサブカルチャー玉座に君臨する御方。オタクとして一度は行ってみたいなという気持ちもあるが、普通にテンションについていけなそうというビビりの気持ちが凌駕し、行こうと本気で思ったことがなかった。故にメイド喫茶に行くという選択肢が浮上すること自体が革命的案件だった。

 


そんなこんなでさっき喋ってたキャッチの子のお店に行こうぜ、となってそそくさとそのお店に向かった。店の前にもキャッチがいたのでちょっと話してみる。改めてお店のシステムの話を聞いてみるとどうやらここはメイド喫茶というよりガールズバーに近い店だったことが判明。正直この時点で僕はガールズバーもありだわねという気分になっていたが、キモオタのTATSUがあくまで純正のメイド喫茶にこだわりたいと言うのでその店は断念。

 

 

 

ということで、冒頭の名曲、どりパスが流れるメイド喫茶の最大手(?)めいどりーみんに辿り着いたわけです。なんとめいどりーみん、秋葉原に7店舗もあるんだとか。

 


めいどりーみん、実は日本円が使用できない。夢の国であるめいどりーみんはりーみんという通貨が使用されている。当日の為替相場は1円=1りーみんだったので計算が楽でよかった。

 


さて、夢の国へご入国。トゥットゥル〜

 

 

 

 


「「おかえりなさいませ、ご主人様」」

 


んんあ^〜

 

 

 

 


メイド「ご主人様はどこから来たにゃん?」

僕「僕は練馬の国から来たにゃん!」

メイド「そうにゃんね!私は一番星からやってきたえりなっていうの!よろしくにゃん!」

僕「よろしくにゃん!」

 


んんあ^〜

 

 

 

 

 

 

メイド「それではお料理が美味しくなるおまじないを一緒にかけるにゃん」

メイド、僕、TATSU「美味しくなーれ♡美味しくなーれ♡もえ♡もえ♡きゅん♡」

 


んんあ^〜

 

 

 

 

 

 

これが夢の国…凄い…凄すぎる…

 

 

 

 


他のメイド喫茶がどんな感じかわからんけど、めいどりーみんは結構メイドさんが話しかけてくれた。個人的にはそんくらいの過剰な接客を求めていたから嬉しかったけど、あっちは夢の国設定があるから会話のキャッチボールはなかなかカオスな感じであった。

 

 

 

 


めいどりーみん、なんとライブセットというのを注文するとライブをやってくれるのだ。これ、店内の誰かひとりが注文してくれればライブを観れる形式なのだが、誰も注文していない感じだったので僕が率先して注文してしまった。

ライブしてくれる曲を選べるのだけれど、やはり王道のどりパスを選曲。

 


ライブセットを注文したから最前アリーナ席を用意していただいた。

 


ライブ開幕…!

 

 

 

めいどりーみん♪

めいどりーみん♪

夢の国で遊びましょ〜

たっぷりの愛をこめて

お給仕笑顔で頑張って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!

 

 

 

目の前でメイドさんが歌って踊ってる!!!!!!しかも僕の目を見て歌って踊ってくれてる!!!!!!!もえきゅん死!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

そしてなんと3月は僕の誕生月だったから誕生日を祝っていただいてしまった。客として来ていたキモオタども(7割外国人)におめでとーっと拍手声援を貰い、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気分ではあったけどまぁ悪い気はしない。

素敵な誕生日プレートもいただいてほんとに至れり尽くせりだった。

 

 

 

 

 

 

念願のチェキを撮った。やはりメイドさんとチェキを撮るというのは全オタクのひとつの願望だろう。それをついに叶えることができて僕は感無量だった。オタクステータスがまた上昇してしまった(同時に人間としてのステータスはがくんと下がる)。

 

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でびっていうのはあれだね、僕の第三世界でのニックネームだね。


さてさて、色々堪能できたので出国。

 

 

 

 

 

 

TATSU「まぁ最初で最後のメイド喫茶だったな」

僕「だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際、楽しかったけどまた行くかと問われれば微妙なところである。

 


あの世界観に順応できる力は並みの人間にはないだろう。心身ともにオタクとして染まりきり、どうしようもない社会不適合者達のみがあの世界の最果てのような空間を堪能できるのだ。

 

 

 

 

 

 

時々、人間ではない何かになりたくなる。

 


人の疎らなオフィス。パソコンをカタカタとする僕。時計を見れば21時を回ろうとしている。残業という悪魔は笑いながら僕の心を削る。そんな時、僕はネコちゃんになりたくなる。

 

 

 

「んんうん、つかれたにゃぁぁぁぁん」

 

 

 

とオフィスで叫べればどれほど気持ちがいいだろうか。

 

 

 

 


人には潜在的にネコちゃんになりたくなる欲求がある。それは唐突に頭角を現す。そしてそれを解放できるのが世界で唯一、メイド喫茶だけなのだ。

 


苦労を知ってるからこそビールが美味しく感じるし、疲労を知ってるからこそメイド喫茶を楽しむことができるのだ。

 

 

 

次の春で僕は社会人2年目になる。これからもっと苦労や疲労を沢山知ることになるのだろう。ネコちゃんになりたくなる頻度も高くなるかもしれない。

 


けど、大丈夫。僕はネコちゃんになることのできる場所を知っているから。

 


意外に再びあの夢の国に訪れる日は近いのかもしれない。