ぽけてん

someone in the crowd

前へ前へ-未体験HORIZON-

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本を読む人間として、文章を書く人間として、ことばって面白いなーって思ってて。

 

そもそも人間の思考ってことばなしにはできなくて人間の存在自体とことばって密接に関わっています。"言語が違えば世界は変わる"なんて言いますけど、人間の思考がことばによって行われている以上、言語が違うことによる思考回路の差異も生まれると思うんです。まぁ全てが言語に依存するわけではないですが。

 

 

加えて、ことばの機能として挙げられるのが"名付け(物事の規定)"ですね。実在・非実在に関わらず、名前が付いているから人間はあらゆる物事を認識できます。机を机と認識できるのは"机"ということばがあるからですし、愛を愛と認識できるのは"愛"ということばがあるからです。"名付け"なんて表現しましたが、"世界の線引き"と言い換えてもいいですね。線を引くことで概念を確立させる。

 

 

 

 

 

 

 

蝶と蛾の違いって知っていますか?厳密には蝶と蛾の違いってないそうですね。生物学的には区別していないんだとか。一応、区別ポイントみたいなのがいくつかあるそうですが、どれも例外はある。ま、生物学的に区別していなくたって、イメージの違いはありますよね。蝶は可憐で綺麗だし、蛾はキモい。花丸は蝶だけどオタクは蛾、みたいな。

 

 

フランス語は蝶と蛾を区別することばはないそうです。鱗翅目の昆虫の総称が1つあるのかな。蝶と蛾を区別しようがしまいが生活に支障はないだろうけど、区別がないことで日本人のような感性は持っていないと考えられます。蝶が可憐で蛾がキモいという考え方がそもそもない。「蝶のように舞う」という表現はフランスにはないんですかね。

 

 

一方、フランス語はワインの風味を表現する語彙がとても豊富だとか(詳しくは知らん)。それだけワインを飲んだ時にレパートリーに富んだ感想を言うことができます。日本語にはなかなか訳せないことばもいくつかあるようです。

 

 

まぁ上記は一例ですけど、ことばによって世界の見え方ってのは全然違ってくるわけです。日本はフランスよりも鱗翅目の昆虫に対してより細かな感性を持っていて、逆にフランスは日本よりもワインに対してより細かな感性を持っている。なんでこんな語彙の差異が生まれるのかというと、その物事がどれだけその国の人間に密接に関わってるかどうかの差から生まれます。

 

例えば

・日本は長らく漁業が盛んだったから魚に関する語彙が多い(出世魚って考え方はあんまり海外じゃ見られない)

・日本は雨が多い(四季折々雨が降る)から雨に関する語彙が多い

とか。

 

 

 

 

で、ことばを知るってことは自分の世界が広がるってことになるんですよ。知っていることばの数が自分の世界の広さ。ことばを知ることで人生は豊かになるし、世界は色づいて見える、素晴らしい!ブラボー!

 

 

物書き的な観点で見てもね、ことばを沢山吸収して表現力をつけるってのは大事ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

さて、表題、未体験HORIZONについて。

 

 

4thシングルのタイトルが発表された時、上でつらつらと書いてきたことが頭の中でぐるぐるしてたんですよ。

 

 

自分の中には既知と未知の境界線があって、その境界線を越えるワクワクを高らかに歌う花丸、そんなインプレッションでした。

 

 

後に公開されたPVを見て、まぁイメージ通りだったようなそうではないような…。ま、花丸がはちゃめちゃ可愛いから最高ってことで!!!!!

 

 

善子パートの「世界が広いってこと 知りたいんだ今は」ってところ良いですよね。なんか今だからこそ歌えるというか…。僕は今回の4thシングルはアニメの文脈で捉えてなくて、アニメの文脈の外の位置付けとして考えてるんです。逆に恋アクやハピトレはアニメ時系列のどこかで作曲されたと考えてます。

 

 

サンシャインのアニメ挿入歌って全力になることの大切さだったり、不屈の精神だったり、がむしゃらさだったり、そういうのを歌うが多かったと思うし、それがAqoursだったんですよね。ただ今回の4thシングルって一区切りついた後の曲というか(i-n-g I tryなんかもその分類)、駆け抜け終わった、じゃ新しい夢に向かってまた走りますかーって感じじゃないですか?だからこその「世界が広いってこと 知りたいんだ今は」なんです。世界見渡して、もっとワクワクできることないかなーって。

 

 

「もっと」って台詞が繰り返し登場するのもいいですね。ワクワクに貪欲で勿体ぶらずにどんどん進もうとするAqoursの力強さを感じるんですよね。僕なんかついつい楽しみは後に取っておこうかななんて考えちゃうけど、そんな出し惜しみしても勿体無くない?って言われてる気がして。チョコを大事にポケットにしまっておいても溶けちゃうだけなんすよね。

 

 

 

本の虫だった女の子が全く未知のアイドルの世界に飛び込んで、その先でこの曲を歌うことに大きな意味があるんだと思います。

 

 

 

 

 

 

僕が世界の広さを初めて感じたのは中学2年生の時でした。僕はある小説を読んでいました。その小説は引用が多く、偉人の名言、科学、美術、歴史、等々多くの知識が散りばめられ、それは時に本筋の支柱として時に作品を彩る装飾として機能していました。

 

溢れる知識に対面して、僕は生まれて初めて自分が見ていた世界が余りにも狭かったことに気づいた。過言でなく、本当にあの小説を読んだことで人生が変わった。急に視界が開け、風が吹き抜け、空が異様に大きく感じたんです。

 

 

 

 

世界にはまだまだワクワクが沢山溢れている。だから、前へ進むんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フル楽しみなんじゃ^〜