ぽけてん

someone in the crowd

野下痢、選択、マリリンモンロー、拳銃-アメリカ旅行記-

 

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2019.12.28〜2020.1.4アメリカ旅行してきたよーん。

社会派情報系の当ブログでアメリカの真髄を見よ!

 


●野下痢

海外で車を運転するのは初めてだった。ていうか、日本ですら半年に1回くらいしか運転しないのに海外で運転して大丈夫なん!?海外で運転するには国外運転免許証というのを発行せねばならない。手続きめんどくせーって思ってたけどまじで3秒で発行が終わった。免許センター行く必要はあるけど、窓口着いた瞬間、即、発行。発行のあまりの早さに「これで本当に海外で運転できるんですか」って3回くらい確認してしまった。


まぁ運転してみるとたいして違和感はない。何度かうっかり左車線に入って死にそうになったけど。

車の中身も逆になるからウィンカーを出すつもりがワイパーを動かしてしまうミスは2億回くらいやった。最初こそ笑いが起きるが、旅行後半はみな無言である。や、なかなか慣れなかったね。

 

 


ロサンゼルスからラスベガスまで6時間、ラスベガスからグランドキャニオンまで6時間、グランドキャニオンからヨセミテまで11時間、ヨセミテからロサンゼルスまで6時間。振り返ると延々と運転していた。

"雄大慣れ"という不思議な現象が起きた。

広大な景色に引かれる一本の道路。大地はどこまでも続いていて、そこを走り抜ける爽快感がたまらない。が、最初こそ「これが男のロマンや!」とはしゃいでいたが次第に景色に慣れてきてしまった。コンクリートジャングルでせかせかと働き続きる日々に辟易していたはずなのにどこまでも広がる景色を前に"慣れ"が生まれる。人間って恐ろしい。

まぁそれでも雄大な大地の中を走り続けるのは気分が良かった。

 

 


それはグランドキャニオンに向かっている時だった。日が昇り始め、荒野を覆う雪がキラキラと照っていた。

「腹が痛え」という一言が車内に響いた。彼を見ると苦痛に顔を歪めていた。ただでさえ獣のような彼の顔はもう原初の生物のような険しさとなっていた。

ここは荒野の真っ只中。トイレなどない。彼は我慢できないと喚き出した。

車を停めた刹那、彼はティッシュを片手に荒野へと飛び出た。その姿は完全に敗走する巨大な猪。


ふと思う。我々は資本主義という快適空間に胡座をかいているだけだと。牙は抜かれ、加工された柔らかい肉をむちゃむちゃと食らう。そこに"意志"はあるのだろうか。

我々は一度野生を思い出す必要があるのかもしれない。草花と離れれば離れるほど人の心は濁っていく。東京には多くの泥の人形が徘徊している。水は低きに流れるように人間もまた怠惰へと流れてしまう。否。人間は、その牙で争うことができる。"意志"があれば。空想と現実の境界線が曖昧だ。だから、明確にしたい。


獣は木の根本に座り込み、肛門から濁流を生んだ。

白銀の世界に黒点が生まれる。

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やっぱり、僕は保温機能付き便座がないと辛いかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

●選択

カジノはひたすらに煌びやかだった。どれほど夜が深まろうと街はずっと明るい。豪華絢爛。資本主義の猛威。

同じギャンブルにしても競馬場とは訳が違う。カジノにはワンカップ片手に虚な目で徘徊する汚い老人はいない。カジノにいる人間の多くが観光客、そして中流階級以上だ。

訪れるカジノにもよるだろうけど、僕の行ったカジノは非常に平和だった。最低賭け金も低いし、緊迫感も殆どない。

僕がポーカーでアスペしてもディーラーやら周りの客やら色々と親切に教えてくれた。みんな、優しい…!(エモ)

ヒリヒリするようなゲームがしたかったら別室のVIPルームへ行けばいいそうだ。最低賭け金が跳ね上がる。

個人的にはルーレットが一番楽しかった。次はどこに賭けようかと無意味な思考を巡らすあの瞬間、ギャンブルしてるって実感があった。

 

人間には本当に選択の自由があるのだろうか。目の前にコツメカワウソとアリクイがいたとして、僕は本当に自分の意志でコツメカワウソを選んでいると言えるだろうか。

選択の自由があると思い込んでいるだけかもしれない。人生を歩み、経験を積む。人間は自分の持っている知見をもって選択を行う。選択とは知見に依存する。我々は自由に選択しているようであり、その実、積み重ねた経験によってその時どのような選択をするのか決まっているのだ。

つまり、僕は公平に、平等に、コツメカワウソとアリクイのどちらかを選ぶ自由があるわけではなく、その時点の知見によって選択は決定づけられていることになる。

人生とは思ったより選べる道が多くないのかもしれない。

 

僕は悩みに悩み、13番に80ドルの1点かけをした。放たれたボールがくるくると回る。獲物を狙う鷹のように睨めつける。ボールは25番に吸い込まれた。

デカい数珠のようなイヤリングをつけた黒人女性がニヤニヤとしながら僕を見てきた。

つまり、そういうことだ。

 

 

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●マリリンモンロー

マリリンモンローって名前が強いよね。バシッとキマる。語感が良い。

織田・モンロー・信長

マリリン・梓

小宮・モンロー

マリリン・ジャンクション

 


マリリンモンローを知らない人は殆どいないだろうけど、マリリンモンローの出演する映画を観たことある人はあまり多くはないだろう。

僕も名前と顔くらいしか知らない。

以下、wikiより抜粋。

1950年代で最も人気のあるセックスシンボルの1人であり、セクシャリティに対する時代の態度を象徴していた。

かっけぇ。

 

 

 

令和のセックスシンボルは誰だろうか。

 

僕は「久保田未夢」を推したい。

 

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●拳銃

あまりにもナチュラルに拳銃を向けられた。あまりにもナチュラルすぎて映画の撮影かと思ったくらいだ。

銃口がにっこりとこちらを向いていて、なるほど、これが"死"か、と理解した。

 

僕らはヨセミテへ向かうハイウェイを疾走していた。

突如、サイレンの音とマイク越しの怒声が響いた。

何事かと後ろを振り向くとパトカー(ハイウェイパトロール)がこちらへ向かってきている。スピード違反か。ややうんざりしながらスピードを緩める。

しかし、スピード違反にしてはめちゃくちゃにキレてる。車が完全に停止するまで警官はマイク越しに怒鳴りまくっていた。

僕らも動揺していたのだろう。何故だかわからないけど、停止した後、僕らは一斉に車を降りた。

警官が慌てたようにパトカーから飛び降りて何か絶叫する。警官めっちゃキレとるやん。

ギョッとした。

警官は腰を落とし、拳銃を構え、狙いを定めていた。

警官が何を叫んでいるのかはわからないけど、車に戻れと言っているようだったから慌てて車に戻った。もしかしたらスピード違反どころではない何かかもしれない。

警官が車にやってくる。めっちゃ強面なんやが。サングラスかけたその姿はシュワルツェネッガーを想起させた。

警官めちゃくちゃキレ散らかしとる。何を言ってるか全然わからん。

ブチギレ方して普通のスピード違反とは思えん。

警官はパトカーに戻り何やら書類を書いている。僕らはそわそわしながら待つしかない。

警官が戻ってきた。

Your driving is dangerous.

結局、スピード違反だった。


どこかリアリティに欠けていたけど、本物の拳銃を向けられたあの感覚は魚の骨のように心に刺さっている。映画ではない、あれは現実だった。

 

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いかがだったでしょうか。社会派情報系の当ブログでアメリカの真髄を見ることができたなら幸いです。

 

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See you again!!