ぽけてん

オタクシグナル

リアリストという仮面の裏側-松浦果南-

 

 

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リアリスト(realist)

 

・現実に即して物事を考え、また処理する人。現実主義者。実際家。

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松浦果南の基本的なスタンスは「今が楽しければそれでいい」だと私は思っています。あまり難しいことは考えたくない。頭で考えるより先に身体が動く。脳筋。そんなキャラ。しかし、果南の言動はそのスタンスに即しているとは言えません。極めてリアリスト。そのアンバランスさが果南の魅力であると思いますし、見ていて面白いなと感じる部分でもあります。

 

 

ただ、何故私は松浦果南のスタンスは「今が楽しければそれでいい」だと思っているのでしょうか。ラブライブサンシャインTVシリーズを観る限りでは、「今が楽しければそれでいい」というスタンスを果南が表に出している場面は殆どないはずです。

 

(発言の9割が「それ楽しそうだね」「それ面白そうだね」となっているスクフェス松浦果南に引っ張られているという可能性は否定できない…。今時、RPGNPCですらもうちょっと会話パターン豊富でしょ。)

 

険しいオタク的な発言をすると、徹底したリアリストな言動は果南の楽観的な心内の裏返しであると私は捉えているのかもしれません。

 

果南は物事がどっちに転んでもそれを受け入れるどっしりとした精神を持っているように感じます。例えば2期3話でラブライブに出場するか学校説明会に出るかで迷っていた際、果南はそこで決を採ります。「どっちかだよ」という果南の発言は上級生として会話を進行しているようにも見えますが、選択を丸投げしてるようにも見えます。あんまり難しいことは考えたくないという果南の心内が浮き彫りになっているように映りました。斜に構えすぎですかね、この見方は。

 

果南はあまり主観的視点を持っていないように感じます。自分がどう思うかというよりは、状況を俯瞰的に見てどうするかを判断する人間ではないでしょうか。これは鞠莉の留学の際のあれこれをふり返ると特に感じられます。鞠莉は留学の誘いをことごとく断っていました。今やっているスクールアイドルの活動を大事にしたいから。それを見た果南は鞠莉の未来を自分が奪っているのではないかと考えます。結果、鞠莉をつっぱね、留学を促す選択をします。友達想いと言えばそうなのでしょうけど、どちらかといえば果南は全体を見てベストな選択をしたという印象を受けました。つまりそこに果南の主観はない。

 

二股に分かれた線路があったとして、片方には人が3人並べられていてもう片方には人が10人並べられているとします。もし果南が暴走列車の運転席にいたら、3人の方に果南はハンドルを切るでしょう。別にこの問いに正解はありませんが、果南は冷静に両側の線路にいる人の人数を数えるような人間だと思うのです。

 

劇場版でも俯瞰的な視点から発せられる果南の台詞が幾つかありました。3年生の3人が鞠莉の知り合いの別荘に着いた後の「鞠莉のお母さんに言われたからって、(1・2年生の6人が)本当にイタリアまでくるなんてね」という台詞。Aqours9人と月が合流した後、ホテルの前で「迷惑だったら言ってね。その時は私達3人でライブやるから」という台詞。なんでしょう、この引いたところに自分を置くスタイルは。本当は1・2年生の6人が来てくれて嬉しいくせに、こんな格好つけた言葉を吐くんだよね、果南は。

 

 

個人的に劇場版の鞠莉ママの「またハグゥの入れ知恵ですか」って台詞が好きなんですよね。いや果南ってどう見ても参謀担当というより実践担当でしょwwww果南と"知恵"って不似合すぎるwwww

 

まぁ小さいころは果南が鞠莉を遊びに誘っていたから、そういう経緯からの発言ってのはわかるんですけど、見るたびにこのシーンはふふってなるんですよね。

 

やはり松浦果南の最大のチャームポイントはここに潜んでいると思います。リアリストな言動を貫いているにも関わらず、おバカキャラのイメージが強いというところ。俯瞰的で達観した発言をすればするほど、何故かおバカなイメージが強まる。

 

前述した通り、果南は状況に即した言動を選ぶ。しかしそれは往々にして果南の本心とは離れたものが多い。そしてその実情が見え透いてわかる。だからこそ、アンバランスさを私は感じているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

他に松浦果南おもしろポイントを挙げるとするなら、1年生の頃に作詞を担当していたという点ですね。持論ですけど、俯瞰的な視点を持っている人間って創作に向いてなくて、狭く深く物事を考えられる人間の方が創作に向いているのではないかと思うのです。当事者意識の薄い果南にとって、作詞は結構苦戦したんじゃないかなぁと。夜な夜な作詞で悩む果南のことを想像するだけで楽しくなっちゃう。でも、海未も作詞担当だったしそうとも言えないのかな。まぁ果南みたいなリアリストが赤裸々な気持ちを歌詞にのせていると思うとやっぱり面白い。

 

果南作詞は力強さが際立ちます。リアリストだから書ける歌詞とでもいうのでしょうか。鞠莉の留学の際のあれこれで鞠莉をつっぱねた果南の精神力は相当なものです。そういう背景もあって「強さ」を感じるのかもしれません。良くも悪くもアイドルっぽくはないですよね。MY舞☆TONIGHTの「この世界はいつもあきらめないこころに答えじゃなく道を探す手がかりをくれるから最後まで強気でいこう」とか、ストイックな果南を体現している歌詞だなと思います。私は特に「憧れたのはずっと瞬く光」ってところが好きです。「ずっと瞬く光」という言葉のセンスは星が好きなところからきてるんですかね。

 

 

 

 

 

 

「本当は清々してるんだけどね、これでやっと終わりだって」

 

ご存じ2期12話、果南の台詞です。正直、これを最初に聞いた時、笑いました。いや、果南らしいなって。なんかこういうきどった感じが果南なんだなって。素でこういうこと言える果南が狂おしいほど愛おしいです。

 

ストレートに解釈するなら、やっとスクールアイドルから解放される、という意味で捉えれますよね。スクールアイドルは果南にとって枷だったのか…否、それは断じて否です。では、この台詞はどういう意味なのでしょう。

 

多分、果南は今まで楽しく自由に生きてきました。大好きな海と大好きな友達とのびのびと。冒頭、松浦果南のスタンスは「今が楽しければそれでいい」だと述べました。しかし、果南は気づくのです。楽しいだけでは上手くいかないことがあると。そう思うようになったきっかけはやはり鞠莉の留学のあれこれでしょう。スクールアイドルを始めてからというもの、らしくもなく色んなことを考えなくてはならなくなってしまった果南。それは果南スタンスに反することであり、気苦労の溜まることだったと思います。現実は楽しいことばかりではない、それを知ってしまった果南が今のような性格に着地したことは個人的にかなりしっくりくるところではあります。だから、私はこういう意味であの台詞を捉えています。「(スクールアイドルを卒業することで難しいあれこれを考え続けてきた日々からの解放に)清々してる」と。そしてこの台詞はこう続きます。

 

「だからこそ勝ちたい、今をもっともっと楽しみたいから」

 

 

 

 

 

 

 

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果南のアンニュイな表情が凄い好きなんですよね。そういう意味で「HAPPY PARTY TRAIN」は最高峰のMVです。悩み、迷う、果南が存分に味わえる。

 

「期待に輝く瞳なら見えるよ遠い駅できっと何かが待ってるの」

 

果南は最後にすっきりとした笑顔を覗かせます。現実は思っていたより難しい、けれども同時に期待を胸に前に進むしかないということも果南は知っているのでしょう。

 

 

 

 

 

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「逃走迷走メビウスループ」の衣装、髪飾りが星座になっていますよね。鞠莉がカシオペア座、ダイヤが北斗七星、そして果南が北極星となります。北極星!?不動の星。星座は北極星を中心にぐるぐると回る。上手いなぁとしか言えません。果南・鞠莉・ダイヤの3人の中心は誰かって言われるとやっぱり果南なんだなって思うんですよね。果南が鞠莉とダイヤを引っ張りまわす、果南を中心に物語は回る。

 

そして歌詞。好きな部分は沢山あるんですけど、あえて挙げるなら「走りすぎて苦しいのになぜかみんな笑いだして止まらないの」です。この歌詞を聞いて、私はふと昔を思い出しました。特定の記憶、というわけではなくて漠然とした昔。無邪気に笑って遊び回った小学校の放課後。純心。無性に懐かしくなりました。そして思いました、果南は意外にも自分のつけているリアリストという仮面に自覚的なのかなと。そしてそれ以上に、自分の心に潜む童心や遊び心といった楽しさだけで構成された感情に自覚的だったりするのかもしれません。

 

 

 

 

やっぱり松浦果南のスタンスは「今が楽しければそれでいい」だと思います。現実はやっぱりめんどくさいことは多いけど、それでも楽しくい生きていたいなと、松浦果南を見ていると心からそう思えてくるんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(これは世界一面白いスクショ)