ぽけてん

someone in the crowd

前立腺マッサージいいですかってなんですか

 

 

 

 

 

 

雨の音が微睡みを破る。やや肌寒く布団から出るのが億劫だ。寝返りをうつ。

 

 

 

6月21日金曜日。その日は朝から雨が降っていて日本全国の人間が気怠く1日のスタートを切っている中、僕だけが優雅に布団ではんなりしていた。これがgolden slumber。その日僕はAM休を取っていた。何か予定があったわけではない。盛大に寝坊したから体調不良というていで休みを取ったのだ。怠惰。今日という日の意味を探したい。僕が僕であるレーゾンデートル

 

 

 

 

 

 

 

この前、久々に高校時代の友達と飲むことになった。勿論彼はオタクなんだけど、なんか、拗らせに拗らせ樹海の奥底に潜む仙人みたいな性格になっててね。

 

その日、彼はアツくアツく双子百合について永遠と語っていた。彼は過激派だから見た目も性格も真反対な双子に対して絶許絶許と怒り狂い、双子とは見た目も性格も似せなくてはならないと教祖のように言うのだ。彼は亜美真美ガチ勢。見た目も性格も自分と同じはずなのに双子の片割れに気を持ってしまった自分のカルマ。片割れは時として自分よりも自分を理解している。あくまでも好きなのは自分ではない、他人。しかし、自分と同質の人間に気を持つことはただの自己愛とどう違うのか。その葛藤が最高なのだそうだ。そんな彼は元気に大学を2留中だ。

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

 

昔から思っていたけど6月ってのは不思議な時期だ。大体いつも5月下旬くらいに夏かよってくらい気温が上がるけど、6月になると急に冷え込んだり、かと思えば急に気温が上がったり、連日雨だったのに急に晴れたり、水たまりに車が突っ込んで水しぶきを被ったり……不幸!!!!!!!!6月はまじでヤバイ。斬魄刀で例えるなら花天狂骨。6月ちゃんにおもちゃにされてしまう人類。…………雨鬼……………。

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

 

 

午後から出社してだらだらとしてたらあっちゅうまに就業時間。1日というのは気をつけていないと瞬く間に終ってしまう。一瞬一瞬を大切にしたい、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチ恋」というガールズバーが池袋にある。名前からしてやばそうな雰囲気が漂ってるが、どんな店かと言えば、女オタさんが相手をしてくれるガールズバーらしい。

 

 

 

酒飲みながら女オタさんと会話できるの!?!?!?行くっきゃねぇ!!!!!!!!!!

 

 

 

ということで、僕と共に「ガチ恋」するのはキモオタのたくみん。僕の一個上のおにーさん。

 

 

 

 

シラフで本丸に行くのもどーなのということで適当な居酒屋へ。

 

 

 

た「店内BGMで残酷な天使のテーゼが流れてたらベタすぎて萎えちゃう」

 

僕「求めるレベル感高すぎない!?!?いや、店に入った瞬間ゆゆ式のOPが流れてたら流石にぶち上がり案件だけど」

 

た「それは毎日通う」

 

僕「アニメガールズバーに通うオタク、やばすぎだ…」

 

た「女オタさんが"好きなアニメはワンピースです"って言い出したたら秒で帰りかねないゾ」

 

僕「そのレベルだったらもう詐欺みたいなもんでしょ…どうせなら限界女オタさんに相手してもらいたいね」

 

た「まぁやっぱりテンプレ池袋系女オタさんみたいなのが多いのかな」

 

僕「ギアスとかタイバニとかそこら辺の鉄板どころスキスキな感じのね。腐った話されても困るんだけどねぇ」

 

た「そこら辺はあっちのトーク力に頑張ってもらうしか」

 

僕「ま、なんにせよ可愛い女の子がいいなぁ」

 

た「え?」

 

僕「いやだって可愛くないと話す気も起きないじゃん?」

 

た「え?」

 

僕「女オタさんとはいえブスだったら萎えるでしょ?」

 

た「え?」

 

僕「もうオタクじゃなくていいから可愛い子と喋りたい」

 

た「これだから童貞は…」

 

僕「ムキーーーーッッッ!!!」

 

※超補足:たくみんは童貞ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池袋西口をトコトコ歩く。本丸、以前僕が散財したキャバクラの近くにあってなんともいえない気持ちになった。

 

 

ガチ恋」入店。

 

 

 

 

店内BGMは………………

 

流れていない!?!?(ズコーッ)

 

 

 

店内は結構狭い。全部で10席くらい。所狭しといった感じにアニメのポスターが貼られていたりフィギュアが並べられたりしている。

 

システムは1時間飲み放題で1人3000円、プラスチャージ料と女オタさんのお酒代がかかる、確かそんな感じ。

 

そもそもガールズバーが初めてだから相場がわからんけどこんなもんなのだろうか。

 

 

「はじめまして〜よろしくお願いします」

 

僕(可愛くないなぁ…)

 

-完-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、え、なんか特筆するほど何か面白い話があったわけじゃないんだほんと。当たり障りのない会話が続いて1時間終わってしまったから。

 

 

 

以下回想。

 

 

僕「どういうキャラが好き?」

 

女オタさん「一途な子が好きです。純粋で真面目な子が良いですね」

 

た「あー佐久間まゆとかね」

 

女オタさん「………?佐久間まゆ…??」

 

僕「www」

 

 

ここがハイライトでごさいます。

 

ツッコミが2つ。

 

アニメガールズバーで働くならデレくらい知っとけタコ!!!!

 

一途な子で真っ先に佐久間まゆを挙げる!?!?!?!?

 

 

 

 

 

お会計は9000円でした。まぁこんなもんでしょう。

 

 

 

 

 

 

夜の池袋をふらふら。既に終電はなし。 これからどうすればよいだろうか。

 

 

 

この時点で結構酔っていた。ついついガブガブと飲んでしまうのだ。抑えきれない、お酒に溺れたい欲求。

 

 

僕は愛する人の名を絶叫する獣と化していた。

 

 

僕「ギエエエエエエエエ!ルビイルビイイイイイイイイイイイイ」

 

た「絶叫だけはまじでやめろww」

 

 

 

 

 

 

僕らはフォーナインを片手に日本の未来について語り合っていた。

 

 

た「時間も時間だしいけるとしたらデリくらいでしょ」

 

僕「んーデリかぁ…まぁ悪くない。デリってどこまでできるの?」

 

た「普通は本番なし。交渉次第じゃ本番もできるよ」

 

僕「そうなん!?てか本番までいったことあるん!?!?」

 

た「"おにーさん顔が良いからやってあげるよ"って感じだったね」

 

僕「は?…そんなん僕だったらオタク顔は無理で終了じゃないか」

 

た「交渉でなんとか、ね?」

 

僕「んあ〜たくみんは顔がNetflixみたいだからなんとかなるかもしれんけど、こちとら顔がdアニメストアやからな?」

 

た「なんなんだそれは」

 

 

 

そんなこんなでデリに電話した。50分2抜きというなんともガッツある宣伝をしているところにした。

 

いけるのか、僕の愚息…

 

 

値段は10000円、プラスホテル代で合計14000円ってところ。

 

 

 

指定されたホテルに到着。僕は403号室、たくみんは405号室。また会おう、とクールに言い合い僕らはそれぞれの部屋に消えていった。

 

 

 

急にやってきた眠気と戦っていたらチャイムが鳴った。

 

僕「あわわわわ、わわわわ、わ、わ、」

 

急に緊張してきた。

 

嬢「どうも〜」

 

僕「あわ、わ、わわ、わわわわ、わ」

 

 

 

ちゃっちゃか服を脱ぎ全裸になる嬢。人生とはなんなのだろう、まだ何もしてないのに悲しくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

愚息をいじられたり、乳首を攻められたり。

 

 

僕「なんか仕事がつまんなくてさぁ」

 

嬢「辞めちゃえば?人生一度きりなんだしやりたいようにやらなきゃ」

 

僕「ははは」

 

 

 

普通の人って嬢とどんな会話するんですか。教えてください。

 

 

 

 

 

童貞故なのかわからんけど気持ちいいようなくすぐったいようななんとも言えない感覚だった。去年の夏にマットの店に行った時もそんな感じだったなぁ。まず人に触れられることが基本的にないから他人に触れられるだけで緊張しちゃうんやろなぁ。

 

 

 

 

嬢「四つん這いになれます?」

 

僕「はーい」

 

嬢「前 立 腺 マ ッ サ ー ジ い い で す か

 

僕「え?」

 

 

 

 

今こいつなんて言った?ゼンリツセン?なんだゼンリツセンって。え、え、え?

 

とても危険な香りがした。忍び寄る影。黒のファランクス。

 

 

ぼーっとしていた僕の思考は人生史上最速でフル回転していた。速く、速く、誰よりも速く、寒さよりも、1人よりも、地球、アンドロメダより速く。

 

 

善利津戦?

 

 

是ん理つ仙?

 

 

漸離ツ宣?

 

 

花天狂骨枯松心中?

 

 

 

そんな濃密で沸騰した思考回路は魔の手の侵入によって断ち切られた。

 

 

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ん、ん、んほお^〜^〜^〜^〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

なんだろうこの異物感。

 

 

 

 

 

 

 

 

別に気持ちよくはないけど変な声出ちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

うんち漏れちゃいそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで50分はあっという間に過ぎ去り、僕は童貞を卒業する前に処女を失った。

 

 

 

 

 

 

 

ひとつ発見があったとすれば、滄浪戦士である僕も酒をガブガブ飲んだ状態だと遅漏になれるということだ。そういや結局1射しかしてない。

 

 

 

そしてやはり、愛のないえっちほど虚しいことはない。

 

 

 

虚無。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬢が帰った後、たくみんに連絡したら延長してるからまだ来ないでと言われる。

 

 

 

うとうとしていると、4000円持ってない?と連絡が来て、わざわざたくみんの部屋まで金を持っていくはめになる。

 

 

 

 

なんなんだ。

 

 

まじでなんなんだ。

 

 

 

 

 

 

AM3時。405号室に行くと、めちゃくちゃ満足そうなキモオタがそこにいた。

 

 

まじでなんなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。しとしとと雨が降っていた。AM10時にチェックアウトして、朝飯を求め、朝の池袋をふらふら。たくみんは妙に元気だったが、僕は激天2日酔いに襲われていて絶不調だった。

 

ジョナサンに入り、モーニングセットを食べた。

 

僕はジョナサンのトイレでマーライオンになり、世界の夜明けについてしんしんと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

家の最寄駅に着いた時、この世の終わりかってくらい雨が降っていた。

 

アスファルトを叩く雨の音がビリビリと鼓膜に響く。

 

僕は傘をささずに歩き始めた。

 

ゆっくりと、ゆっくりと。

 

全てが流れ落ちるような気がした。

 

悲しみも、孤独も、虚無も、

 

何もかもこの雨が流してくれる。

 

僕が指揮者、世界は奏者。

 

雨が初夏の旋律を奏でる。

 

奔放なこのリズムもよく聴けばそれは世界からのメッセージなのだ。

 

祝福の旋律。

 

雨の中、僕は強く叫んだ。

 

 

「愛が欲しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」