ぽけてん

someone in the crowd

「雨の音」ラブライブサンシャイン2期2話ってやっぱり面白いなという話。

 

真っ白な1枚の紙を思い描いてください。真ん中に縦線を引き、左側に「人」と書きます。右側には「人」から最も遠い存在を書きます。さて、右側にはなんと書きましたか

そうです、右側にも「人」という字が入りましたね。どういことかって?わかりません、あなたが考えてください。








人という生き物は誰しもが利己的なのでしょうか?そうです、と肯定するのは容易いですが、少し味気ないですね。意見を持てば対立は生まれるし、言葉を発すれば反感を買います。インターネットが普及したことで人は人と繋がりやすくなりましたが、その分いらぬいざこざまで起こるようになってしまいました。悲しいです。

考えが違うから反発が生まれます。では、人は皆均一であるべきでしょうか?脳髄にプラグを差し込んで全人類同期します。きっと極めて退屈な世界が待ってるでしょう。うふっ、楽しみですね。



 

 

 












さて、なんの話をしましょうか?勿論、ラブライブサンシャインす。アニメを見返してて、2期2話「雨の音」はやっぱり面白いな〜〜と横転してしまったので筆を取った次第です。まぁ2期2話については何度かブログに書いたかもしれませんが、今まで何かのついでに話題に出していたという感じだったので今回はに2期2話にのみ注視して語っていきます。





「雨の音」ラブライブサンシャイン2期2話ってやっぱり面白いなという話。

 


2期2話って起承転結が美しいですよね。

ざっとあらすじを追っていきましょう。

 



【起】
鞠莉の父親より100人集めることを学校存続の条件として提示される。悲願達成の為にはラブライブ用と学校説明会用の2つの新曲を作る必要があった。しかし、2つの新曲を2年生の3人だけで作るのは負担が大きい。なので、2年生の3人と1,3年生の6人それぞれで新曲を作ることになる。

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2期2話って意外な情報が結構転がってると思うんですけど、序盤で得られる情報で興味深いのは旧Aqoursは果南が作詞、鞠莉が作曲、ダイヤが衣装を担当していたってところですかね。果南が作詞か〜旧Aqoursの歌詞を千歌や曜に見られて赤面する果南を見たいですね。

 

 

 





【承】
1,3年生の6人は曲を作るため鞠莉の家に行くが、あまりにもセレブリティなもてなしに曲作りどころではなくなる。気を改めて黒澤家で曲作りを始めるが、なんと1年生と3年生の間で意見の相違が生まれてしまう。

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それぞれ好みの違う者同士が何かひとつのものを作り上げることができるのか、という問題提起。

当たり前ですが、人の数だけ好みがあります。たとえ仲の良い友人同士だとしても好みが食い違うなんてことはよく起こりえます。

そもそもこの問題提起自体が個人的には驚きでした。ラブライブサンシャインとは輝きを目指して少女達が駆け抜ける物語。仲間との関係性に問題はないことが前提というか、盤石な絆があってその上でどうするかがこの物語だと思ってました。だからこそあえてその基盤の部分に触れた話を作ることが意外に感じたのです。好みってパーソナリティな問題であって、物語上の壁(東京のイベントでの0票、Aqoursらしさとは何か、廃校決定、等々)とは毛色が違います。下手すれば好みの違う者同士が同じグループで活動する必要ある?なんて方向に転がる可能性だってあるわけです。音楽性の違いでバンドが解散するように。

なので、問題自体はあまりにも当たり前に起こりうることなのですが、ラブライブサンシャインでこのテーマを扱うことが奇妙に思えました。

 

 

 

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ゾウさんに真剣なルビィかわいい・・・茶色い毛玉持ってる花丸かわいい・・・

 

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あんこ

 







【転】
激化する口論を見兼ねたダイヤが仲良くなるところから始めようと提案する。ドッチボールや読書で親睦を深めようとしてみたけれど、自分達はタイプの違う人間だということがより明らかになってしまった。

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仲良くなるために行ったことがドッチボールと読書ってのがいいですね。カラオケやゲーセンで遊ぶなんていう安易な選択でないところが好きです。まぁ一緒に遊んだだけで自分たちはタイプの違う人間だと判明するってちょっと残酷ですけど・・・

 

 

 

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花丸を守るために身体を張った善子まじでかっこいいんだよな・・・

 

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花丸は太宰治津軽読んでるけど、他のメンバーが読んでる本も元ネタあるのかね。

 

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ホテルオハラのハンカチ(¥4500)







【結】
温泉を後にした6人は雨に降られ、花丸の知り合いの寺にて雨宿りすることに。寺が雨漏りし始めたため水受けを用意する6人。容器を打つ雨音を聞きながら6人は気づく。ひとりひとり違っていいのだと。それぞれ違う音色が重なることでひとつの曲になる。その解を6人は雨の音から得ることができた。

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なんやこのオチ、完璧すぎない???2兆億点です。好みの違う者同士が何かひとつのものを作り上げることの困難さの答えが「雨の音」。人はそれぞれ違っていいのです。違うからこそ、それらが調和し、新しいものが生まれる。雨が流麗なメロディを奏でるように。

 

 

 

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ルビィ(こいつ怖がりすぎやろ)

 

 

 

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僕は以前からMY舞☆TONIGHTは果南作詞だと主張してきました。まぁ勿論6人で作り上げた曲なのは違いないのですが、作詞のメインは果南だと思うのです。ノート持ってるの果南だし。これ「めざせ予選突ぱ」って書いてるのが果南で赤字で修正しているのがダイヤですよね・・・

「憧れたのはずっと瞬く光」という一文がめちゃくちゃ果南なのです。千歌だったら「光を目指して」「光を掴む」みたいな作詞にしそう。「憧れ」って単語を使ってますけど「光」になれるかどうかは果南にとってさして重要でないと思っています。「ずっと瞬く光」はシンプルに星のことで、それは届く/届かないの話ではなくて、単に何かを志して頑張ることが素敵だよねって話だと僕は解釈してます。(対して千歌は光になることに主眼を置く。果南は今、千歌は明日を見ている、というイメージです)

果南ってリアリストですよね。鞠莉は留学の誘いをことごとく断っていました。今やっているスクールアイドルの活動を大事にしたいから。それを見た果南は鞠莉の未来を自分が奪っているのではないかと考えます。結果、鞠莉をつっぱね、留学を促します。友達想いと言えばそうなのでしょうけど、どちらかといえば果南は全体を見てベストな選択をしたという印象を受けました。

で、手のひらを返すようですが、果南の根の部分は楽観的な子どもだと思うのです。2期12話の千歌からの問いの返答がまさにそうだと思うのですが、「今を楽しむこと」こそが果南の根本。

そういうリアリストで客観的な果南と今を楽しむことに主眼を置く果南が詰め込まれたのがMY舞☆TONIGHTだと思ってます。ずっと瞬く光に手が届くかどうかはわからないけどさ、今、熱くなろうよ、と。果南のそういうところがまじで好き。


「雨の音」の話をしていたのにあれやこれやと脱線してしまいましたね。

 



閑話休題

 

 

 

 

 

 


人って普通は対立を避けたがると思うんですよ。意見が対立しそうになったら、同調することでなぁなぁにする。それも処世術でしょう。ただ、お互いの違いを認め合い、なおかつ妥協せずお互いの意見をぶつけ合うことができた時、全く新しい何かが生まれる可能性がある。音楽に限らず、何にでも言えることですね。それって凄く素敵だなぁと思うのです。

ラブライブサンシャインって"リアル"ですよね。何をもって"リアル"と言うかは人それぞれかもしれませんが、僕は"キャラクターが挫折と苦悩を何度も味わいそれでも立ち上がる"ところが"リアル"だと感じます。やっぱり現実は何事も都合よく進まないですから。そういう意味では2期2話もまた"リアル"でした。自分と他人との好みの違いという問題は何かを作る人ならば誰しもがぶつかる壁ではないでしょうか。"リアル"な本作品にこのような等身大のエピソードが入るのもまた自然だったのかなぁと今では思います。









 

 















さて、冒頭で書いた紙を取り出してみてください。人と人の間には消せない線があります。人はどうやったって理解し合うことはできません。僕たちは全部違ってバラバラです。でも、だからこそ、違うことを認め合い、重なり合えば、新しい何かが生まれる。耳をすませば聴こえてくるはずです、Raindrop Melodyが。






 

 

 















〜〜後書〜〜




はい、「#うちで輝こう」という企画に乗っかり僕の好きなラブライブサンシャイン2期2話の話をしてみました。やっぱりラブライブサンシャインっていい作品やな・・・

僕のブログを他にも読んだことがある人はなんとなく察しているかもしれませんが、僕は多様性が広がり続ける現代で人はどう対処するべきなのか、みたいな話が大好きなんですよね。そういう意味でも「雨の音」は僕にどんぴしゃな物語だったと思います。

現在、YouTubeにて期間限定で無料配信中なので、皆さんもこれを機にラブライブサンシャインを試聴してみてはいかがでしょうか!?



 

 

 

お時間ありましたら以下の記事もよろしくお願いいたします。

 

aoiroma.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

#うちで輝こう