ぽけてん

someone in the crowd

ステージにのまれる-虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 4th Live! Love the Life We Live-

感情を言語化する行為ほど不毛なことはない。それを説明しようとした途端、偽物になる。感情は理屈ではない。その瞬間だけが現実なのだ。

それでも僕は文章を書く。僕に出来ることといえば文章を書くくらいだからだ。



以前より僕はライブは楽しいだけであって欲しいと言うようになった。ラブライブシリーズのメッセージ性を真に受け止めようとすると重い。その重さに耐えきれるほどの強さを僕は持ち合わせていない。だから変にメッセージ性があるよりはただただ楽しいものを享受したいと言っていた。僕は、弱い。

といっても楽しいだけのライブがどのようなものなのか具体的に思い浮かんでいるわけではない。CYaRon 2ndライブはかなり理想系に近かったような気がする。楽しいと感じるタイミングは様々だ。一概にこれが良いと言うのは難しい。楽しいはどこから来るかなんて誰にもわからないのだ。

 

 

 




ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 4th Live! ~Love the Life We Live~

 


慟哭。

ついで狂い。

爆発的に楽しいライブだった。そして楽しい以上の何かがそこにあった。それを僕は「「「巨大感情」」」と呼ぶ。

ソロによるステージは諸刃の剣だ。グループが楽とは決して言わないが背負う負担はソロの方が大きい。ひとりでやり切る体力が必要だし、歌唱力やダンスのキレが乏しいと見られるステージにはならない。一方、それらのリスクを乗り越えた時、時にグループ以上の感動をステージに顕在させることがある。

僕の好みの問題かもしれないが、ソロによるパフォーマンスに心を震わせられることが多い。単にソロのステージは勿論だが、グループならソロパートのタイミング、他の音楽…例えばジャズなんかでいえばピアノソロのタイミング、とか。

何故だろう?シンプルな構図ゆえなのか、想いがダイレクトに伝わる、そんな気がする。

虹ヶ咲のライブは最初こそハラハラと心配になりながら見ていたものの今では安定したパフォーマンス、そしてそれ以上の巨大感情を生み出す素晴らしいものへと成長した。そう、成長した。大きく成長したのだ。多くの葛藤や苦悩を乗り越えて、今この景色がある。

3rd Liveも異次元的に楽しいライブであったが、4th Liveはそれを凌駕する魅力があったと思う。

たまにステージにのまれる感覚に陥ることがある。圧倒的なパフォーマンスに感化され、視界が異様に狭まり、音が身体の芯に響き、思考が真っ白になる。そんな瞬間が4th Liveにもあった。

「MONSTER GIRLS / R3BIRTH」や「Diabolic mulier / 宮下愛」は、ステージに完全にのみ込まれた。day2は曲順が並びだったのも大きいかもしれないが何もかもを置き去りにする激しい情緒が駆け巡った。それだけの感情的なエネルギーをR3BIRTHや宮下愛はステージで表出していたように思う。

そして「Break The System / 上原歩夢」。何故かわからないがday1の時はこれといった印象が残らなかった。day1はマイクの調子が悪かったのか、僕が阿呆だったのか、よくわからない。ただ、day2のBreak The Systemは同じものとは思えないほどパフォーマンスの訴求力があった。もしかしたら曲順の影響もあったかもしれない。会場のボルテージが最高潮の状態でのBreak The System、まさに覇道だった。

day2のBreak The System、あの瞬間、あの場所には僕と上原歩夢だけがいて、それが世界の全てだった。僕はこの瞬間のために生きていたのかもしれない。



パフォーマンスの向上は勿論だが、それに伴ってスクールアイドルとして自身がステージを全力で楽しんでいると感じられた。彼女らはその一瞬一瞬を楽しみ、ライブをしている。

そして、自分がステージで何を表現すべきなのかよく理解していた。多分、これはソロ活動の大きな強みだ。ソロである故に表現すべきことは明確になる。演者はキャラクターとその曲に真摯に向き合う。だからこそパフォーマンスに説得力が出るのだ。それが虹ヶ咲のライブの魅力かもしれない。

そのくらい魅力を感じるライブだった。



 

 

 











やれやれ。

また不毛な文章を書いてしまった。もっと語るべきこともあるのだがこのくらいにしておこう。不毛な文章にも引き際はあるのだ。






虹ヶ咲スクールアイドル同好会の皆様、素敵なライブをありがとうございました。あの日あの時、MCで涙ながらに語った悔しさは綺麗に昇華されたと思います。また素晴らしいライブが開催されることを心から願っています。

 

 

 

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